財産管理委任契約との違い
「財産管理委任契約を結んでいるから、認知症対策や老後の財産管理は万全だ」とお考えの人もいるのではないでしょうか。
実は、財産管理委任契約は本人の判断能力を前提としている制度なので、認知症になってから利用できなくなる恐れがあります。
認知症になり判断能力を失ったときの財産管理については、家族信託を利用するのがおすすめです。
また、家族信託に関しても認知症を発症し判断能力を失ってしまうと、契約を結べなくなるのでご注意ください。
認知症対策は、自分が元気なうちに行っておくことが非常に大切です。
財産管理委任契約と家族信託の違いについて、詳しく見ていきましょう。
老後の財産管理にはどんな方法がある?
家族信託も財産管理委任契約のどちらも、老後の財産管理方法です。
しかし、認知症になり判断能力を失うと財産管理委任契約を利用することはできなくなるので注意しなければなりません。
家族信託と財産管理委任契約の違いは、それぞれ下記の通りです。
家族信託 | 財産管理委任契約 | |
概要 | 家族に財産の管理や運用、処分を任せる制度 | 自分の財産の管理を代理人に委任する制度 |
---|---|---|
本人の判断能力 | 家族信託の利用開始後には必要ない | 委任契約を行使するたびに必要となる |
上記のように、家族信託と財産管理委任契約の最大の違いは、運用時に「本人の判断能力を必要とするかどうか」です。
財産管理委任契約は、本人の代わりに代理人が財産の管理や運用、処分を行おうとするたびに本人の意思確認を行わなければなりません。
【注意】財産管理委任契約は本人が認知症になると利用できない!?
財産管理委任契約は、財産の管理や運用、処分を行うたびに、本人に意思確認が行われます。
したがって、財産を所有している人が認知症になり判断能力を失ってしまうと、制度を利用できなくなってしまいます。
結果として、財産管理委任契約だけでは下記の事態に陥ってしまう可能性もゼロではありません。
- 自宅不動産を売却できず施設への入所費用を工面できない
- 認知症になってしまい、賃貸用不動産の管理や運用、処分を行えない
- 認知症になってしまい、銀行口座が凍結されてしまう
認知症発症後の寿命は5~12年程度と個人差が大きく、医療の発展で今後は寿命がさらに伸びることも予測できます。
そのため、財産管理委任契約だけで老後の財産管理をしようとすると、介護費用を用意できず家族が負担しなければならない、賃貸用不動産が塩漬け状態になってしまうなどのリスクも大いに考えられます。
専門家の立場からお伝えしたいことは、財産管理委任契約だけでは将来の認知症対策としては不十分です。
認知症になった後も家族に財産管理を任せたいのであれば、家族信託を利用するのが良いでしょう。
家族信託が認知症対策に優れている5つの理由
家族信託は本人が認知症になり判断能力を失ったとしても、家族に財産管理や運用、処分を任せられます。
家族信託が認知症対策として特に優れている理由を詳しく見ていきましょう。
1.認知症になり判断能力を失っても財産管理を行える
家族信託は信託契約を結び手続きを完了すれば、委託者が認知症になり判断能力を失っても家族に財産の管理や運用、処分を行ってもらえます。
2.贈与税や不動産取得税がかからない
家族信託はあくまで「財産の管理や処分、運用を任せる制度」であり、財産の所有権は変更しません。 そのため、家族信託を利用するだけでは、贈与税や不動産取得税などの負担がかからない点も魅力といえるでしょう。
3.裁判所の手続きが不要で家族間で契約を完了させられる
家族信託は成年後見制度と異なり、裁判所の手続きが不要です。
家族間で契約を完了させられるので、柔軟な財産管理を行えます。
4.ランニングコストがかからない
家族信託は成年後見制度など他の認知症対策と異なり、専門家による監督が必要ないため、ランニングコストがかかりません。
認知症発症後の平均寿命は5~12年程度であると言われているため、制度利用後のランニングコストがかからないのは大きなメリットといえます。
5.柔軟な財産管理を行える
家族信託は信託契約の内容によって、柔軟な財産管理を行えます。
賃貸用不動産の管理や運用、処分を任せたい人や中小企業経営者で自社株の管理を任せたい人にも適しています。
家族信託は専門家に相談することが大切
認知症対策として非常に優れている家族信託ですが、デメリットもあります。
家族信託のデメリットは、信託契約の作成や締結に専門的な知識が必要となることです。
家族信託は柔軟な財産管理を行える分、自分たちの状況や希望、資産にあった信託契約書を作成することが非常に重要となってきます。
自分たちで信託契約書を作るのは並大抵のことではありませんし、比較的新しい制度である家族信託を積極的に行っている専門家も多くないのが現状です。
家族信託の信託契約書を作成し手続きを進める際には、税金面のシミュレーション、登記申請なども必要となるため、税理士や司法書士、弁護士など幅広い士業との連携が必要となります。
認知症対策として家族信託を活用するのであれば、ぜひ家族信託に精通した専門家へ相談、依頼することをご検討ください。
家族信託の相談で「家族信託相談所」を選んでいただける理由
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本人が元気なうちに認知症対策をしておきましょう
認知症対策には複数ありますが、どの方法を選択するにしろ、本人が元気なうちに対策しておく必要があります。
本人が認知症になり判断能力を失ってからでは、家族信託の契約を結べなくなってしまうからです。
「何かあったときに対策するのでは手遅れになる」ということを理解し、自分が動けるうちに万全の準備を整えておきましょう。
家族信託であれば契約を開始するタイミングも自由に設定可能です。
そのため、契約だけをあらかじめ結んでおき、財産管理が難しくなってきたタイミングで子供に財産の管理や運用、処分を任せるといったことも行えます。
家族信託相談所では、家族信託や認知症対策に関する無料相談をお受けしています。
老後の財産管理や相続対策に不安を感じている人は、お気軽にお問い合わせください。